【OPLL】
2016年04月06日
OPLLとは、後縦靭帯骨化症のことです。頸部の靭帯の中には、前方から、前縦靭帯、後縦靭帯、黄色靭帯といった靭帯があります。このうちの後縦靭帯について、特にアジア人の3%くらいに見られるようですが、靭帯が骨化し、椎孔内にある脊髄の入っている脊柱管が押されて、感覚障害や運動障害等の神経症状を引き起こすことがあります。
レントゲンをみると、一見、神経異常があるかのようにも見えますが、CTで脊柱管内が白く骨化していると、OPLLではないかとようやくわかります。
裁判例においては、事故と神経障害の因果関係を認めた上で、このOPLLを減額理由となる素因と認め、3割の素因減額をしたものがあります(最判平成9年4月30日)。
OPLLといっても、一概にその程度や事故への影響を論じられませんので、その言葉に拘泥することなく、個別のケースごとに判断することが必要です。