【運行起因性】

2016年02月09日

自動車損害賠償保障法3条は、「自己のために自動車の運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」と定めています。
この「運行」について、自賠法2条2項は「人または物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いること」と定義します。
しかしながら、この定義によっても、なにが「自動車を当該装置の用い方に従い用いること」なのか具体的に明らかではありません。
まず、「運行によって」の解釈について、①駐車車両(駐車禁止場所、パーキングスペースなど)、②荷積荷卸ろし、など、「運行」といえるかが問題となる場面があります。
また、「装置」についてもシートベルト、ステップ、エアコンなど、どこまでを指すのか文言上明らかではありません。
これらを解説する文献もありますが、なかなか理論的にすっきり説明できているとは思われず、明確な駿別には事例の集積を待つほかないようにも思います。