【頸部障害…交通事故障害】

2015年10月19日

脊椎は、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎と仙骨から形成されますが、交通事故外傷で最も多いと思われるのが、頸椎部位です。受傷当初は、外傷性頸部症候群などと傷病名が付けられたり、あるいは、頸椎捻挫・頸部挫傷、むち打ち損傷と呼ばれたりもします。
自覚症状としては、首の痛みの他、頭痛・手の痺れなど様々ですが、いわゆる後遺症と認められるためには、レントゲン、CT、MRIなどを読影する過程が必要です。このうち、レントゲンのみで神経症状を捉えるのは困難です。他覚所見として神経症状を見るには、MRIが適しており、T1、T2強調画像それぞれを比較すると、脊髄・神経痕の圧迫状況も見えやすいものといえます。
その他、自覚症状と頸椎の神経異常が整合しているかを確認するものとして、デルマトーム(脊髄神経根から伸びている感覚神経が支配する領域を示した図)があります。頸椎の異常部位と異常が生じるべき部位が整合しているか、確認する必要があります。
以上のように神経異常の確認は必要ですが、これが認められずに治療終了となった場合には、早期に日常生活をし、生活リズムを元に戻すことが肝要です。長期に渡り「安静」にしていると、かえって日常生活に悪影響が生じる場合があります。