【頭蓋内血腫…交通事故障害】

2015年10月15日

頭蓋内の膜としては、外から硬膜、くも膜、軟膜があります。これら膜を隔て、出血した部位・血腫の状況により、①急性硬膜外血腫、②急性硬膜下血腫、③慢性硬膜下血腫、④くも膜下出血、⑤脳内血腫、に分けることができます。
このうち、①急性硬膜外血腫は、硬膜に守られた脳内の外側に出血が溜まっている状態であり、頭蓋内血腫の中では、予後が比較的よいとされます。硬膜が押され、凸レンズのような形になります。
②急性硬膜下血腫については、硬膜とクモ膜の間で出血し、血腫ができたものです。受傷後3日以内のものを急性硬膜下血腫と呼びますが、脳挫傷や脳幹部損傷を伴っていることが多く、緊急手術を行っても手術死亡率が高い傾向があります。
④クモ膜下出血については、外傷以外のケースでよく見られ、脳動脈瘤の破裂により発症するものが多くあります。クモ膜下まで出血しているとさらに予後が悪い可能性が高まります。