【小規模宅地等の特例】

2015年03月03日

先回、相続税法改正により、これまで相続税とは無縁であった方々が、相続税を支払う可能性について述べました。そこで、このような状況の下で課税を避けるために重要な手段として挙げられるのが、「小規模宅地等の特例」です。

この特例が適用されれば、自宅の土地の評価額が、最大330㎡まで8割も減額されます。 多くのケースにおいて、相続財産の中で割合を占めるのは、現金でも預金でもなく、やはり不動産です。ただ、建物は老朽化し価値も下落しますので、不動産の中でも土地がカギとなります。この土地の評価が8割減額されるというのは、相続税の課税の有無に大きく影響するといえるでしょう。

なお、小規模宅地等の特例の結果、相続税の支払いが不要となる場合でも、相続税の申告が必要です。遺産分割調停などを受任しておりますと、相続人間で話し合いが整わず、相続の開始を知ってから10か月を超えるような事案もあります。相続人間の利益調整も重要ですが、相続税の申告との関係で、どのように折り合いをつけるかという視点もお持ちになられるとよいでしょう。